初恋ディジー
「やっぱり麻有は手先器用だね。凄い綺麗に纏まってる」
「私なんか絶対自分で出来ないもん。だからいつも体育の時はポニーテールなんだ」
感心する希紗ちゃんと羨ましそうに私の頭を見つめるさくらちゃん。
「……二人もしてあげようか?」
「え、いいの?!」
さくらちゃんは結んだばかりのポニーテールをすぐさま解き、私の座っている向かいのベンチに腰をおろす。
「じゃあ、さくらの次はあたしもお願い」
「うん、いいよ」
ベンチから立ち上がり、さくらちゃんと希沙ちゃんの髪を順番に結い始める。
結び終わる頃には始業の3分前になっていて、私達は慌てて更衣室を飛び出した。