初恋ディジー


「人ってさ、自分とは正反対の人に惹かれたりしない?

だから紫苑もきっと自分とは真逆のタイプの麻有に興味持ったんだよ!」


そう解釈してさくらちゃんが希沙ちゃんに言った。


「……それって何かまるでさくらのことみたい」


「え?私?」


キョトンと目を丸くするさくらちゃんに、希沙ちゃんは鼻で笑った。


「自分の恋愛について全然話さないけど、本当は好きなんでしょ」


「は?誰のこと?」


希沙ちゃんの言葉に私まで首を傾げてしまう。


「誰のことって……それを口に出して言ってもいいわけ?相手の名前」

と視線を背後に向けた。

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