初恋ディジー

「やったあ!」


しばらくしてクジで勝ち上がったグループの女子が、嬉しそうに声をあげて喜ぶ。


「公平な決定なんだから、文句なしよね」

と彼女が由香里ちゃんに向かって言うと、“フン”と悔しそうにその場から離れていった。



「お前ら、やる気あんのかよ」


「痛っ!」


隣りのクラスを見ていると、後ろから頭を叩かれた。


――さくらちゃんだけが。


「さっさと練習始めんぞ」


「いちいち叩くなっつーの!」


私とさくらちゃんはグループに戻ると、自分のポジションの所に立ち、長縄に繋がれた手ぬぐいを足に結びつけた。
< 138 / 393 >

この作品をシェア

pagetop