初恋ディジー
「いっちに、いっちに~」
全員の準備が整った後、まずは慣らすためにその場で足踏みをする。
「このテンポだとちょっと遅くねえ?」
と崎本くんが言う。
「もう少し早くしてみる?」
さくらちゃんの言葉に、さっきよりも少しだけ足踏みのテンポを速める。
「うーん……ちゃんと走ってみないと分かんないわ」
「試しに少しだけグラウンド走ってみたらいいんじゃん?」
「じゃあ、そうすっか!紫苑、任せたぞ」
崎本くんが一番前の高木くんにそう言った。
「はいはい、分かりました。 ……じゃあ、最初はゆっくりな?はい、右足上げて~」
皆が一斉に右足をあげる。