初恋ディジー


「せーの!」


その掛け声に合わせ、私達はテンポよくグラウンドに向かって行く。


初めてにしては上出来だ。


足も揃ってるし掛け声もピッタリ。


「じゃあ、ちょっとだけペース速めんぞ!
“いっちに、いっちに”のテンポでよろしく」


「任せるとか言って結局お前が仕切ってんじゃん」


そう笑いながら高木くんがツッこむ。


「いいから紫苑やって」


「……ったく意味わかんねえなあ」


――二人とも器用だ……

走りながら余裕の会話を交わせるなんて。
< 140 / 393 >

この作品をシェア

pagetop