初恋ディジー
「せーの!」
その掛け声に合わせ、私達はテンポよくグラウンドに向かって行く。
初めてにしては上出来だ。
足も揃ってるし掛け声もピッタリ。
「じゃあ、ちょっとだけペース速めんぞ!
“いっちに、いっちに”のテンポでよろしく」
「任せるとか言って結局お前が仕切ってんじゃん」
そう笑いながら高木くんがツッこむ。
「いいから紫苑やって」
「……ったく意味わかんねえなあ」
――二人とも器用だ……
走りながら余裕の会話を交わせるなんて。