初恋ディジー


「じゃあ、行くぞ!せーの!」


さっき足踏みで合わせたテンポよりも更に早くなった。


……ちょ、ちょっとキツイかもっ!


高木くんの歩幅と自分の歩幅があまりにも違いすぎて、ほとんど引っ張られる。


それに、私の後ろの希沙ちゃんとも微妙なズレを感じるし……。


「うわあっ!」


「本山、危ねっ」


後ろからさくらちゃんと崎本くんの声が聞こえ――…


「おい、紫苑止まれっ!」

「わわわっ」

「きゃあっ」

「うおっ?!」


崎本くんのその言葉も空しく、全員が派手にこけた。
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