初恋ディジー
「あ……膝が……」
立ち上がった高木くんの足を見ると、左膝にすり傷を負っていた。
「ああ、こんぐらい平気だって」
“気にしないで”と言いながら、膝の砂をはたく。
「平気かもしれないけど、バイ菌入るから今すぐ洗った方がいいよっ!絆創膏持ってるから洗ったら貼って」
ズボンのポケットに入れておいた絆創膏を、無理矢理高木くんに渡した。
「佐脇さんって本当に優しい。こんな俺のことなんか心配してくれちゃってさ」
「誰とか関係ないよ。怪我してる人を見たら放っておけないでしょう?」
私がそう言うと、高木くんは小さく頷いた。