初恋ディジー

どうしよう……


榛名くんの言葉があまりにも嬉しくて、つい自分に都合のいい風にとらえちゃう。


――でも彼のことだから、相手が私じゃなくてもきっと同じことをしてたんだろうな。


……期待なんかしちゃだめ。


「切れてるところ、消毒する?」


「うん」


返事を聞き立ち上がると、消毒液をガーゼにつける。


「何か手慣れてるね」


「中学の時、保険委員だったから……」


「ふうん?似合ってるかも……ッ!」


「あ!ごめんなさい!」


私が口元にガーゼを当てた時、榛名くんが痛そうに顔を歪ませた。
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