初恋ディジー

「痛かったよね?」


「うん、ちょっと。というか、手震えてるけど大丈夫?」


「つい、緊張して」


“二人っきり”という状況を、一人意識してるなんて……


「佐脇さんでも、俺に緊張してくれるんだ?」


「だって私、男の子の手当てなんか初めてだもの」


「マジ?じゃあ、俺が第一号か」


そう嬉しそうに笑った。


ああ、もう……


だめだって思うのに、榛名くんの言葉ひとつひとつに期待が膨らんでいく。


自意識過剰だな……

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