初恋ディジー

「悪いけど付き合えないや……ごめん」


「そっか……いきなりゴメンな?」


その場から立ち去っていく彼を見送った後、由香里ちゃんはハアとため息吐いて振り返った。


「あ、麻有ちゃん」


振り返った瞬間に目が合い、私の名前を口にする。


「立ち聞きするつもりはなかったんだけど……」


「ああ、いいって!聞かれて困るようなことじゃないし」


と笑顔で微笑んだ。


「……さっきのって告白されてたんだよね?あんなカッコイイ人に告白されるなんて凄いね」


私がそう言うと由香里ちゃんは浮かない顔をした。
< 171 / 393 >

この作品をシェア

pagetop