初恋ディジー

「俺も手伝うよ」

と腕を捲って手を洗う裕樹さん。


「いいですよ。お客さんなんですから」


「ううん、手伝わせて」


まな板の上の包丁に手を伸ばし、裕樹さんは慣れた手つきで具材を切っていく。


「さすが裕樹さん!」


「一人暮らしで自炊してると、身につくからね」


「由真ちゃんなんか料理一切しないですよ?!」


「ちょっと失礼ね!アンタが“絶対台所に立つな”って言うからじゃん」


……だって。


グチャグチャに汚すし、野菜のカットだって大きくて料理の不器用さは半端なものじゃないんだもん。
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