初恋ディジー
「うん、よし!完璧じゃん!さすが私!」
完成した髪を見て自画自賛する由真ちゃん。
「……コレが私?」
「やっぱり髪型一つで人って変わるもんよねー」
鏡に映る自分が全くの別人に見えて、驚きながらじっと鏡を見つめる。
「メイクしてないけど、麻有の場合はスッピンでも全然イケるからいっか。グロスぐらいはしていきなさい」
「そう言われてもリップしか持ってないし……」
「ああ、もう!じゃあ、リップでいいからもう早く行かないと間に合わないよ!」
「う、うん……由真ちゃん、ありがとう」
お礼を言って一階へ駆け下りると、ミュールを履いて外へと出た。
そして、ドキドキ逸る気持ちを抑えながら待ち合わせの駅へと急ぐ。