初恋ディジー
“可愛い”
その言葉に顔が紅潮するのが分かった。
「買い物に付き合うだけなのに、こんな気合い入れてバカみたいって思わない?」
不安に思ってたことを聞くと。
「何で?俺は素直に嬉しいんだけど」
と逸らした視線をまた向け、今度は右手を差し出してきた。
「今日は人ごみ凄いから、はぐれたら困るでしょ。だから、手繋ぎませんか?」
タメ語と敬語が入り混じった話し方に、私は思わず吹き出してしまった。
「え、今笑うとこ?」
「ごめん……でも“手繋ぎませんか?”って丁寧に聞かれたの初めてだったから、ちょっとくすぐったか――…」
私がそう言う最中に、榛名くんはバッと私の手を取った。