初恋ディジー

「しょうがないでしょ?これでも緊張してんだから」


「緊張?榛名くんが?」


「そりゃあ、するに決まってる。 ……本当に予想外もいいとこだし」


「え?」


「何でもない。早く行こ」


繋ぎ合わせた手から榛名くんの緊張が伝わってくる。

それと同時に彼の温もりも感じた。


少しだけ汗ばむ手。

緊張しているのが自分だけじゃないって分かって、少しホッとする。


「あ、榛名くん。あの店なんてどうかな?」


街を歩いて店を探していた途中、道路を挟んだ反対側に小さな雑貨屋さんを発見。
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