初恋ディジー

「ううん、全然いいよ。学校の時とはまた違う佐脇さんが見れて俺は楽しいから」


そう笑顔を浮かべながら、さっきまで私が見ていたストラップを手に取った。


「これ、気に入ったの?」


「携帯にストラップつけてないから、ちょうど欲しいと思ってたところで……」


「ふうん?じゃあ、買ってあげる」


「え!いいよ、そんなの!」


物欲しそうに見えたのか、榛名くんはそう言ってポケットから財布を取り出した。


「今日付き合ってくれたお礼だと思って受け取ってよ。元々タダで付き合ってもらうつもりなんてなかったし」


「でも……」


「いいから、いいから」


榛名くんはそのままレジへと向かい、会計を済ませて戻って来た。
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