初恋ディジー
恥ずかしさを感じながら後ろを歩いていると
さっきの雑貨屋の前で立ち止まる榛名くん。
“ん?”と首を傾げるあたしに
「……周りからどんな風に見えてるんだろうね」
と聞いてきた。
「え?突然どうしたの?」
そんなこと、聞かれるとは思わなかった。
返す言葉もすぐには見つからなくて、ショーウインドウに映る自分たちの姿を一緒になって見つめる。
「やっぱりカップルに見えたりすんのかな?」
“カップル”
というその響きにドキッと胸が高鳴る。
「さ……さあ、どうなんだろう?」
“見えるんじゃないかな?”なんて自分に都合のいいこと、さすがに言えない。