初恋ディジー

それから大きなショッピングモールに立ち寄り、各フロアーを見て回った。


もちろん繋がれた手はそのまま。


妹さんのプレゼントを選ばなくちゃいけないのに、頭の中はもうそれどころではなかった。


『うわあ、あのカップル超お似合い!』

『彼女の方、めっちゃほんわかした感じで可愛い』


そんな言葉が聞こえてきた時


「今の聞こえてた?カップルだってさ。

佐脇さんのことも“可愛い”って褒めてたね」


余裕の顔で榛名くんがそう言ってきた。


「あ、あの……榛名くん」


「ん?何?」


もう、ダメだ……

これ以上は無理っ――…
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