初恋ディジー
お似合いの二人
「……結局、雨降っちゃったな」
空は先ほどよりも、どんよりとした重い雲で覆われ
少しだけどひんやりと冷たい風が吹いている。
「傘買ってくるからここで待ってて」
榛名くんは雨の中、近くのコンビニへと入っていった。
私は屋根の下で彼が戻って来るのをひとり待つ。
「う~、冷てぇ!」
そして数分後、何故か榛名くんは透明のビニール傘を手に持ったまま戻って来たのだ。
「え……何で差して来なかったの?」
「二つ買おうとしたんだけどこれ一つしかなかったんだ。だから佐脇さんが使いなよ」
濡れた髪をかき上げ、その傘を差し出した。