初恋ディジー

「あれ?暁と麻有ちゃんじゃん!」


「……あ、崎本くんっ」


改札前に着いて、切符を買おうと発券機の前に立った時、ちょうど崎本くんが歩いてきた。


今日の彼は学校の時よりも髪型をきちんとセットしていて、服装もめかしこんでいる。


「お前ら、もしかしてデートか?」


からかうように聞かれ、私はカーッと顔を赤らめた。


「何だよー。知らないところでちゃっかりデートなんかしちゃってさあ」


面白いネタでも見つけたかのように私達を見る。


「茶化すな!」

と榛名くんは崎本くんの肩を、手加減なしに引っ叩いた。
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