初恋ディジー
な、何でっ……
「「何でこんなところにいるの?!」
近くの店から出てきたさくらちゃんに驚く私。
そして息ぴったりに重なった彼女の声。
「私達は偶然よ、偶然!」
「遊んでたら“たまたま”ハチ合わせただけだ」
ハチ合わせた、だなんて見え透いた嘘……
“お待たせ”ってさくらちゃんが言ったのを、この耳でしかと聞いた。
「茶化した虎太郎だって人のこと言えねーじゃん」
笑いを必死に堪えながら、榛名くんは言葉を続けた。
「つーか、付き合ってんのバレバレだから」
――と。