初恋ディジー
「おい!さくら!何ペラペラと喋ってんだよ!」
それまで榛名くんと話していた崎本くんの耳に、さくらちゃんの言葉が飛び込んできたのか
そう言って後ろからさくらちゃんの頭を軽く押した。
「いいじゃん、別にー。
それにね!アンタはいいかもしれないけど、私はすっごく恥ずかしかったんだからね!」
「……っ、俺の方が何倍も恥ずいっつーの!」
付き合っているのに、二人の会話はいつもと何ら変わらない。
けれど少しだけ違ったのは
崎本くんがさくらちゃんを呼ぶ時に“本山”から“さくら”に変わったこと……
「私達は見ての通りこんな感じだけど、そういうわけだから今後よろしくね!」
「うん」
今の方が二人らしくていいな、
ってそう思った。