初恋ディジー

「おーい、さくら。そろそろ次行こうぜ!」


崎本くんが名前を呼ぶと、さくらちゃんが“うん!”と返事する。


「まっ、後は頑張りな!」

と崎本くんの元へ戻っていった。


「これからまたどっか行くの?」


「うん、隣り駅だけどな!」


それじゃあ、私達と反対方向だ。


「麻有ちゃん、またね!」


「うん、気をつけて」


二人を先に見送った後、“フー”と小さく息を吐く。


「俺らも帰ろうか」


さっき買いそびれた切符を購入し、私達は改札を通ってホームの階段を上った。
< 221 / 393 >

この作品をシェア

pagetop