初恋ディジー

何だろう?

近寄っていくと、榛名くんの足元には少し大きな水たまりがあるだけだった。


「よく見てみ?」


「――あっ」


言われるまま水たまりを覗いてみると、そこに映っていたそれに声をあげる。


そしてほぼ同時に私達は空を見上げ

少しだけ眩しい光に目を細めた。


「こんなくっきりとした虹見んの初めてだわ」


「綺麗……」


何度か目にしたことはあるのに、今日はいつもと違って見えた。


その理由はきっと、榛名くんと二人で見ているからかもしれない。
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