初恋ディジー
「何か凄い綺麗な人だったみたいだよ。年上かもって。しかも超仲良さそうに歩いてたらしいし」
……え?年上?
「何か麻有のことじゃないみたいだね。誰のことかな?」
――もしかして……
「……実はね、あの後榛名くんは電話をかけてきた人のところに行ったんだ。その人のこと“蒼衣”って呼んでた」
「えっ、何それ!」
「だから噂になってる相手、その人じゃないかなって思って……」
私にはその人しか浮かばなかった。
「誰よ、その蒼衣っていうのは!」
さくらちゃんが目を見開きながら私の肩を揺らす。