初恋ディジー
――――――…
「あれ?由香里ちゃん?」
教室の前にやって来ると、前ドアに由香里ちゃんが誰かを待っている様子で立っていた。
「誰かを待ってるの?」
「麻有ちゃんを待ってたの」
「……えっ、私?」
「話があるからついてきて」
由香里ちゃんはそう言って、先に一人スタスタと屋上階段を上っていく。
「大丈夫?何か様子変だったけど」
「……多分。行ってくるからコレお願いします」
さくらちゃんに自分のカバンを預け、私はその後を追った。