初恋ディジー

「今度の体育祭で勝負しない?クラスの総合で勝った方が告白出来て、負けたら諦める。
……どう?」


「どうって言われても、何でそんな条件……」


「私と麻有ちゃんの両方から告白されたら、暁人だって困るじゃん。暁人が告白を断るごとに傷ついてること知ってるでしょ?」


知ってるけど、だからってそんな無茶な……


「――それとも怖い?負けることが」


クスッを鼻で笑い、私の顔を覗きこむ。


「……っ、そんなことは!」


「じゃあ、決まりね!私、絶対麻有ちゃんには負けないから」


由香里ちゃんは話をまとめると、そそくさと屋上から去っていった。


強引に丸められたとはいえ、何て条件をのんでしまったんだろう……
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