初恋ディジー
「それはそれで逆にヤバくない?
こんなカンカン照りの下で貧血でも起こしたらどうすんの!」
「そうだよ、麻有。タダでさえ小食なのに……ほら、無理矢理でもいいから食べな!」
さくらちゃんはカバンから菓子パンを出すと、それを私に投げた。
「今日は絶対総合優勝しなきゃいけないんだから、麻有もそれに貢献してよ?」
「う、うん……」
優勝したいのはあたしも同じ。
もし由香里ちゃんのクラスに負けたら、私は……
「佐脇さん」
軽く後ろから肩を叩かれゆっくり振り返ると、そこに居た彼の姿に目を瞬かせた。