初恋ディジー

「佐脇さん」

ともう一度私の名前を呼ぶと、崎本くんが彼から少し距離を取った。


「――体育祭が終わったら話がある」


私の方に寄って来ると、高木くんはそう耳元で囁いた。


「……話?」


「すっげー大事な話だから、終わったら教室に絶対来て」


ニッコリ微笑むと、ヒラヒラと手を振る。


「おい、紫苑待てよ」

と崎本くんが後を追いかけて。


「じゃあ、俺らは先に行くから」


小沢くんは丁寧にそう言うと、三人はスタスタと歩いて行ってしまった。
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