初恋ディジー

「……希沙ちゃん、あんなに速いのにどうして体育の授業でも同じように走らなかったの?」


話題の流れを変えようと、何か無いかと探していた私は、気になったことを聞き出した。


「ああ……選抜に選ばれるのが嫌だったから」


「えっ、それだけの理由で?」


「そうだよ。選抜なんかに選ばれたら連帯責任になるじゃない。そんなのめんどくさい」

と淡々と言う。


「そうそれ!私も知らなかったし!

中学の時は運動会とかで選抜リレーなかったから分からなかったけど、下手したら希沙の方が私より速いんじゃないの?」


「うん、それは否定できないね。まあ、頑張りなされ」


そう言って慰めるようにさくらちゃんの肩を叩いた。
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