初恋ディジー

体中に走る緊張。

また一つ、息をのむ。



『2組です』



――――えっ?


発表されたクラスに盛大な拍手を送る教師と生徒たち。


私は一人、その結果に握りしめた手の力を緩めた。


「やっぱり2組かぁ……確かに強かったもんな」

とさくらちゃん。



……負け、た?


「麻有?」


放心状態の私を心配そうに見つめる希沙ちゃんの声。


聞こえてはいるけれど、今の私には返事すら返せない。
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