初恋ディジー
「呼び出してごめんな?」
「うん、別に……」
「今日はどうしても佐脇さんに伝えたいことがあったから」
高木くんはそう言うなり、真剣な顔つきで私の顔を見つめた。
ドキン、と心臓が高鳴る。
「前に俺が佐脇さんに好きだって告(イ)ったこと、覚えてる?」
「えっ、あ……うん」
「その気持ちはさ、今でもずっと変わらないんだけど……」
“けど……”?
目を見開いてその先の言葉を待つ。
「でもアイツには勝てねぇって分かったから、今日限りでスッパリと諦めることにするわ」