初恋ディジー
最終章
大切な親友
「待たせてごめん!」
それからしばらくして、榛名くんが屋上から降りてくる前に戻ってきたあたしは、教室で待っていた二人にそう声をかける。
「……何、その顔……」
とさくらちゃんが目を丸くして私に歩み寄る。
「何で泣いてんの?何かあったわけ?」
と希沙ちゃんも心配する。
そんな二人に私は言った。
「――――――たの……」
「え?何?」
「……振っちゃったの……一番大切な人を」
泣き腫らしたはずなのに、私の目からまた滲みだす涙。