初恋ディジー
「大切な人を振った……ってもしかして榛名くん?!」
「は?どういうこと?!」
私の言葉に、二人は“信じられない”と言った顔で立ち上がった。
「二人に黙ってたことがあるの……
実は……、体育祭の前に由香里ちゃんと榛名くんへの告白を賭けてたんだ」
「――え、」
二人の声が同時に重なる。
「学年の総合優勝で負けた方が身を引く――そんな最低な約束をあたしは彼女としちゃったの」
軽蔑されるのが怖くてずっと言えなかったことを、私は二人に打ち明けた。
「だから私……」