初恋ディジー


窓越しに外の様子を確かめてみると、そこにはどんよりと曇った空があり、小雨もポツポツと降っていた。


ハァ、と小さくため息。


「天気予報、ハズレだ……」


朝のニュースでは天気予報士が自信を持って“晴れ”と言っていた。


だから私はそれを信じて疑わず、折り畳み傘を持って来なかったのに――…


この様子からすると、時間が経つにつれて雨は酷くなりそうな感じだ。


「本降りになる前にさっさと帰ろう」


空を見上げてそう思った私は、急いで日誌をまとめ、それを抱えて教室を飛び出した。
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