初恋ディジー
言葉を続けようとした時、
右頬に鋭い痛みが走った。
「そういう麻有の弱いところが前から大嫌いだったのよ!何で人の言いなりになんかなんの?!」
希沙ちゃんの掌が私の頬を叩いたのだ。
頬を手で押さえながら顔を上げると、彼女の目には涙が薄っすらと浮かんでいて。
「希沙ちゃ――…」
「麻有のバカっ、阿呆!」
そう口にしながら私を両手で抱きしめた。
「何でそんな大事なこと、もっと早く話さなかったのよ!」
その手は微かに震えている。