初恋ディジー
「ファミレスに行って麻有のノートを丸写しさせてもらわなきゃ、夏休みに絶対補講になる気がするんだ」
「うっわ、悠長にしてらんない!」
さくらちゃんまでも慌てて自分の荷物を抱えた。
……さっきまでの雰囲気は一体何処へ行ったのやら……
「――――嫌」
「「え゛っ!」」
一瞬二人が固まる。
「だって希沙ちゃんに言われたばかりだもん。嫌な時は嫌だって言わないとって……」
「こういう時こそ親友を助けなくていつ助けるの!」
「……嘘だよ。嫌なんて思ってないから。ちょっとした意地悪ゴコロだよ」
そう言って椅子から立ち上がった。