初恋ディジー
溢れる涙
―――――――…
季節はあっという間に移り変わり、校内は間近に控える期末試験でみんながカッカとしている。
普段は利用者の少ない図書室も、試験期間中になると昼休みも放課後も利用者で溢れかえる。
静かな空間にシャーペンの走る音だけが響き渡るのだ。
そんな中でひとり。
図書室の一番奥の席の片隅で黙々とテスト範囲の復習をしていると。
「……ここ、いい?」
と隣りの椅子が静かに引かれた。
他にも空いている席はあるのに何故ワザワザここへ?
とそっと見上げた顔にハッとする。