初恋ディジー
「図書室入ってきたら佐脇さんの姿が見えたから」
くすっと笑いながら榛名くんが隣りの席に腰かける。
「努力家だね」
「復習しないと忘れちゃうから……」
あの一件以来、彼とは顔を合わせる機会がなかった。
……そもそも、体育祭の代休明けから榛名くんはちょくちょく学校を休んでいたみたいだし……
「もしかして、そこって試験範囲?」
見開いていたページを見た榛名くんが、小さな声でそう聞いてくる。
「あ、うん……」
「悪いんだけどノート見せてもらってもいい?」