初恋ディジー

「風に揺れる綺麗な髪がとても印象的で、桜がすげー似合う子だなあってつい見惚れてた……」


「――ッ」


“見惚れて”

その言葉に恥ずかしくなる。


「誰かのことが気になって気になって仕方なかったのはこれが初めてだった」


彼の話を聞くにつれて、段々と顔をあげていられなくなって。

それでも私は榛名くんの話にちゃんと耳を傾けた。


「誰に対しても変わらない態度で接したり、困っている人を助けてあげたりしてて優しいんだなって思った。

あと、しっかりしてそうなのに異性に免疫がないから、ちょっと危なっかしかったよ」

と思いだし笑いする。
< 316 / 393 >

この作品をシェア

pagetop