初恋ディジー
「体育祭の当日、選抜リレーで走る前に高木から“俺にリレーで勝つことが出来たら佐脇さんに告白する”って言われて、絶対渡したくないってそう思った。だから柄にもなく無我夢中でアイツと張り合ったし」
あの時、スタート地点で顔を見合わせていたのはそのため?
知らなかったことが一つずつ分かっていく。
「妹の誕生日プレゼント選びっていうのも嘘。俺がただ佐脇さんと一緒に居たかっただけ。 ……ごめんね?俺の勝手な思いで佐脇さんを今まで振り回したりして」
「振り回すだなんてそんなことっ……」
「振られたのはショックだったけどね」
「わ、私……本当はっ」
“好きなの”
そう伝えようとした私の言葉を遮ったのは、榛名くんの次の一言だった。