初恋ディジー
選択授業
「あれ?誰もいないんだけど……」
教室に戻って来ると、そこにはクラスメイトが誰ひとりとしていない。
ふと日程表に目をやる。
「……あ、ニ限目が選択授業だ」
「え?ああっ!じゃあ、移動しなきゃじゃん!」
私の言葉を聞き、さくらちゃんはロッカーからエプロンを取り出した。
「何のんびりしてるのよ!麻有も移動なんだからさっさとしなって」
「えっ……あ、うん!」
横にかけてあるバッグから選択授業に必要な物を取り出し、急かされるようにして教室を飛び出した。