初恋ディジー

「ちょっと麻有、何処行くの?」


「薬局!」


「はあ?何言ってんの!これから授業――…」


「今すぐじゃないとダメなの」


私は強引にさくらちゃんを学校外へ連れ出すと、学校付近に並ぶ商店街の薬局へと足を運んだ。


「麻有が授業ボイコットするなんて信じられない」


「……たまにはそういう気分になる時だってある、と思う」


「思うって……意味分かんないんですけどー」


さくらちゃんは走って乱れた髪を整えながらそう言った。
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