初恋ディジー

「ったく、本当に頑固というか何というか……」


はあ、とため息。

そしてピアサーの箱を開けると、私を石垣に座らせた。


「ほら、どっち開けるの?」


「……えっと右で」


「冷やさなくて平気?」


「うん、多分……」


一瞬の痛みぐらいどうってことない。

それにすぐにでも開けたいから。


「ちゃっかり消毒液まで買っちゃってるし。じゃあ、開けるよ?」


自分の右耳とピアサーのピアスを消毒し終えると、さくらちゃんが耳にピアサーを掛けた。
< 343 / 393 >

この作品をシェア

pagetop