初恋ディジー

――パチン!


その小さな音と同時に右耳に走るジンとした痛み。

思ったよりも全然痛くなかった。


「一瞬だ……うわ……本当についてる」


取り出した鏡で確認しながら感動する自分。


「これで誕生日にはこのピアス付けれる」


そう思ったら嬉しくなった。


「麻有って時々凄く大胆だよね。すぐに開けたい、なんて思うところにビックリだよ」


苦笑しながらさくらちゃんは使い終わって不要になったピアサーをスーパー袋に戻し、横に座る。
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