初恋ディジー

「何で誕生日にそのピアス付けたかったの?」


「……約束したの。私と榛名くん、同じ誕生日だから一緒に城ヶ崎海岸で一緒にお祝いしようって」


きっと榛名くんは当日、約束の場所には来ないかもしれない。


そう思ってはいても、“もしかしたら”という淡い期待を抱いてしまう。


「左耳は一週間後ぐらいに開けてくれる?」


私がそう言うと、さくらちゃんは何故か“嫌だ”と首を横に振った。


「え、どうして?」


キョトンとする私に、彼女は目を細める。
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