初恋ディジー

「さくらちゃんも希沙ちゃんも……徹くんも崎本くんもみんな大好き」


「知ってるよ、そんなこと。でも麻有が今一番好きって伝えたい相手は榛名くんでしょう?」


私は笑顔でうん、と頷いた。


「ねえ、麻有。せっかくだからこのまま今日は学校サボっちゃおうか」


「……うん、いい考えだと思う」


「よっしゃ!じゃあ、私ん家行こうか。親も仕事で今の時間誰も居ないし」


「お邪魔します」


私達は石垣から立ち上がって、学校とは反対方向へと歩き出した。




――――もうすぐ、私との約束の夏がやって来る。
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