初恋ディジー

伝えたい想い


「ううっ……暑い……」


部屋の中で扇風機の風を真に受けながら、パタパタとうちわを仰ぐ。


ついこの間夏休みを迎えたと思ったばかりなのに、もう8月。


先月はさくらちゃん達と一緒に夏祭りに行ったり、プールに行ったりとそれなりに有意義な日々を過ごした。


「ねえ、麻有。今日は何か予定あんの?」


開けていた部屋のドアから由真ちゃんが顔を出し、そう聞いてくる。


「今日は友達と約束があるの」


「あっそ?じゃあ、コレ今のうちに渡しておくわ」


そう言って由真ちゃんが渡してきたのは、ピンクゴールドのピアスだった。
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