初恋ディジー

「帰ってきてたんだね」


「――だって、約束したじゃん。ここで一緒に誕生日を祝おうって……」


「来てくれないかと思った……あんなことがあった後だから」


「俺は、出来ない約束はしないよ」


そう言って手に持っていたスーパー袋から花火セットを取り出した。


「ここでは花火禁止されてるから、向こうの浜辺でやろうか」


榛名くんは吊り橋の方に体を向け、先に吊り橋を渡って行く。


「あ、待って……」


慌てて彼の後を追いかけようとした時、足元がフラついた。
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