初恋ディジー
「えっ、何でそれっ!」
ピアスを見た途端、驚いた様子で声をあげるのも無理はない。
あげようと思って渡さなかったそれが、今こうして私の手元にあるのだから。
「由香里ちゃんが言ってた……榛名くんが用意していたものだって」
「……アイツ、余計なことを」
そう呟いた後、榛名くんは言葉を続けた。
「何で付けてるの?振ったやつから貰ったものをさ。俺のこと、好きじゃないんだろ?」
「――…き……、あの時は恥ずかしくてどうしたらいいのか分からなかった……だけど本当はずっと言いたかったの――榛名くんが好きっ……大好き」
きっと大好きという言葉だけじゃ足りない。