初恋ディジー
「今さら遅いかもしれないけれど、榛名くんは私の初恋の人です」
伝えてから榛名くんを直視できなくて、パッと俯けた顔。
すると視界に榛名くんの靴が見えた。
「……花火しよう」
告白の返事もしないまま、そう言って浜辺へと進んでいく。
そんな彼の態度に、もうダメかもしれないと感じた。
けれど榛名くんは不安げな顔を浮かべた私に
「花火が終わったら、ちゃんと返事するからさ」
と笑った。
それを聞いて安心していいのかどうなのか分からないけれど、取りあえず頷いた。